2013年3月30日土曜日

グッバイ、AVANTI.

「ひとつだけ、私と約束してください。
今日、これから行くお店を、むやみに人に紹介しないって。
よろしいですか? では、まいりましょう」

そんなフレーズで始まる(もっともこれは初期OPなので最近は変わってましたが)
毎週土曜17:00からのTFM『SUNTORY Saturday waiting Bar AVANTI』が今日で終わってしまった。

東京は元麻布、仙台坂を少し上がった辺りにあるイタリアンレストラン・AVANTIの、ウェイティングバーを舞台に繰り広げられる東京イチの日常会話=各界の著名人やクリエイターがグラスを傾けながらテーマに沿ったトーク=を展開する、という設定でしたが、学生の頃に初めて耳にした時は衝撃でしたよね。

番組が始まったのは92年4月とのことなので通し21年ですか。
初めて聞いたのは沖縄にいた頃だったので、ホントに初期だったんだと思う。
ちなみに沖縄で聞いていた頃は18時から始まってたように記憶してます。

もちろんラジオの番組として、きっちり作り込まれているわけなので当然といえば当然なんだけども、グラスと氷が触れ合う音、クラシックジャズのBGM、別のテーブルから聞こえてくる(ふうの)他のお客さんの話し声、そしてメインコンテンツになっている、ただちに暮らしの役に立つわけじゃないんだけども、情報として知ってたら大人として得するなっていうか、それこそ「へぇ〜」っと思えるようなコニサーたちのトークは、臨場感に満ちて週末の高揚感を高めてくれてたし、飲んでもないのに本当にそこにいるような気にさせてくれる演出は、ビンボーだけど時間がある学生にとってはローコストで上質なエンタテイメントだった。我慢できずに開けたのがやっすい泡盛でも、洒落た雰囲気にほんの1時間でも浸れた。

そしてなにより、“上品に” “粋に” “会話とともに” “空間そのものを楽しみながら”日常的にお酒をたしなむことの価値と、そしてBarという空間への憧れを膨らませてくれました。
まぁ、そういう飲み方が身に付いたかどうかは別なんだけども。

大学を卒業して地元に帰ってきて、タウン誌の編集をはじめた頃になると、企画作りの見本として、あるいはネタ探し的な視点というか、聞き方が加わったりもする。もちろんラジオ番組だと分かってはいる。でも実際にあるんじゃないかと信じて疑わず、TOKYO FM出版から出たカクテルブックも初版で購入し(かといってカクテルに詳しくはなっていないのですけど)、東京出張の機会があれば店を探そうと本気で思う。
とにかく公私ともに憧れる存在の番組であり、店でした。

だんだんと暮らしのリズムが変わってくると、毎週きっちり聞くのは難しくなるわけですけども、それでも土曜17時にラジオが聞ける環境にあれば、必ずチューニングを合わせる、そんな希少なプログラムでしたよね。何せ21年と言えば(実質は違うけど)僕の人生の半分だからね。

二代目バーテンダーのスタンさんがアメリカに帰る、という話が出た時に「まさか」とは思ったのですけど、残念ながらTFMからも公式にリリースが出て本日を持って番組は終了。でもこれに合わせて東京ではパブリック・ビューイングならぬ「パブリック・リスニング」がイベントと合わせて開催されて多くの人が集まって賑わったり、そこに参加できないファンは番組を聞きながらツイッターで呟き「#AVANTI」のハッシュタグをつけたツイートのタイムラインが滝のように流れたりと、すごくたくさんの人に支持され愛された番組であり店だったのだと、あらためて思ったのでした。

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▲番組は終わっても店は閉まらない(という設定)らしいので、いつか行きたいのう
じゃぁ、わたしはこれで。

行ってらっしゃいマセ。



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