2015年1月18日日曜日

網が破けていたのかもしれない。


フリーとしてやっている私はサッカー関連の仕事が全体の半分〜6割くらいを占めていますけれども、それ以外のジャンルも当然、やります。(完全にサッカーの人、というわけではありません・笑)

ラーメンや洋食や丼ものなんかの取材に行っては、ストロボセットをセッティングして撮影をし、もちろん試食もさせていただいて料理人の方に話を聞くし、エンブレムに馬のシルエットが入ったチームの選手だけでなく、高校生や社会人のアマチュアの——サッカー以外の競技の——選手や指導者、そして生活の一部としてスポーツを楽しんでいる人に話を聞くこともあります。

ときには映画監督や音楽家など、何かを表現する仕事に携わっている人の取材もするし、シイタケ農家さんや左官職人さんなど何かを作る人、科捜研や税関といった堅いイメージの仕事に就いている人、そしてときには自治体の上の方の役職の方だとか、会社の社長さんなんかに話を聞くこともあります。

それから最近はだいぶ少なくなりましたけど、道行く人にいきなり声をかけて話をし、笑顔を引き出して写真を撮る、なんてこともやっていました(実はこれ、若い頃は最も嫌いな業務でしたけど、今はわりと得意。もちろんフラれるとへこむのですが)。

こうやって材料を揃えるまでが仕事の半分で、あとはもちろん、書くという工程が残っています(あくまで工程。時間配分や力加減の割合は案件によっても違いますし、書くという工程だって細かく分けると5〜6段階の工程があるのですけれど)。

で、取材に時間をとって対応してくださる皆さんや、撮影用とは言えちゃんと味付けもして料理を作ってくださる皆さんが私に何を期待しているかというと、やっぱりでき上がった記事なり写真なりを通して、言いたいことや見せたいことがしっかりと伝わることであり、それによってお客さんが増えたり、記事を見た人から声をかけられたり、そういうレスポンスがあることなんだと思います。

そして時々は、「反応があったよ」ということをご連絡いただくこともあって、実はそれが我々書き手としては最も嬉しいことの1つでもあります。時にはクレームも、まぁ、あるんですけど。

で。基本的には、私が関わっているような仕事の場合、もし間違いがあったら外に出るまでの間に引っかかるよう、チェック体制ができているのが普通です。

ほとんどの仕事には発注主がいて、一次情報源(取材先)から素材を仕入れて加工し、企画チーフやデスクが味をチェックし、最後に編集長が見栄えまで含めてお客に出して良いかどうか判断する、みたいな流れがあるわけです。つまり、安全なものは出荷して良いけれど、何らかの瑕疵があるものは外へ出さないように何枚も網が張ってある、そんなイメージですね。しかしこういった仕組みは、どんな業種でも備えているんではないでしょうか。製造業でも運輸業でも、金融機関とかでも。

ですからたとえば、最初に書いた原稿に間違いがあったとしら、だいたいどこかで引っかかります。間違いがない場合でも、「これは出したらダメ」というレベルのものには途中で手が入って、整えられたり磨かれたりもする。

それでも、致命的な間違いや瑕疵のあるものが網に引っかからず外に出てしまうことも全くないとは言いきれないわけで、それはもちろん、最初に間違ったのが最たる原因です。しかし一方で、「網にも何らかの問題があるんじゃないか」と考えた方がいい場合もある。そもそもそういうことが生じた時のために用意されているにも関わらず、網が機能してないということになれば、何を見てたんですか? ちゃんと見たんですか? ということになっても仕方ない。


で。


愛媛の話なんですが、Jリーグ側の見解と今後の対応についてはスポーツナビに川端さんが書いておられ、おそらく愛媛の方であった会見を受けては、質疑応答の詳細は載っていませんがエルゴラッソの愛媛担当・松本さんがブロゴラで書かれています。

それによれば、現時点までの愛媛FCによる調査で事実関係は確定している、ということになっているけれども、改めて第三者委員会を設けて再調査をした上で処分が決まる、とのこと。

判然としないところもあっていろんな見方があるし、Jリーグ側の見解と同じように、私としてはチェック体制にも問題があったんじゃないかと思うのだけど、いちばん残念なのは、どんな理由があったとしても、サポートしてくれているお客さんや現場で汗を流している選手・スタッフの方を見れてなかったのかなぁということ。

何の仕事をしてても厳しいことを言われれば落ち込むし、もう嫌だと思うことだってありますけど、力をくれるのも周りの人たちですもん。もしかしたら今回の件で気持ちが離れていく人もいるかもしれないけど、それでも叱咤激励して支えてくれる人はいるわけですから、そういう方たちに喜んでもらいたいと思えばそれに応えないといけない。

再調査の結果と正式な処分の発表があるまでは状況は先に進まないし、「ならぬことはならぬものです」なんですが、各所にダメージの少ない形で収まればと思います。

熊本にとって愛媛は縁があるクラブ。

06年のJFL昇格は愛媛のおかげだったし、08年のJリーグ初めての試合の相手が愛媛でした。13年に途中から来た堀米君は今年から甲府に帰りましたが去年愛媛でブレイクして熊本もやられたし、去年は園田選手も来た。テレビでは武者がえしと母恵夢の対決もあったりして、親近感もある。

何より、一緒に上を目指して戦っていきたい相手ですからね。

破けたのなら何回も補修すれば、網だって強く、破れないようになるはずです。




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