2015年1月8日木曜日

誰が何を求め、何をしようとしているのか。

今朝(7日)の朝刊(私が購読している熊本日日新聞)の社会面に、ジャーナリストの「むのたけじ」さんが100歳を迎えたという記事が載っていました。さいたま市在住と記事にあったこと、あとは署名記事ではなかったことなどからおそらく通信社からの配信ものだと思うので、他の地方紙やブロック紙を購読されている方も目にされた方がいるかと思うのですが、自分にとっても刺さることが書かれていたので、記憶に留めておく意味でもここに残しておこうと思います。

むのたけじさんというのは
秋田県生まれ。旧制県立横手中学校(秋田県立横手高等学校の前身)から東京外国語学校卒業。報知新聞記者を経て、1940年朝日新聞社に入社、中国東南アジア特派員となるが、敗戦を機に戦争責任を感じて退社。1948年秋田県で週刊新聞「たいまつ」を創刊、反戦の立場から言論活動を続けた。(wikipedia)
とあります。上記「敗戦を機に戦争責任を感じて」という箇所については、熊日の記事によれば
「負け戦を勝ち戦と報じ続けてきたけじめをつける」。1945年8月の終戦を受け朝日新聞社を退社。故郷の秋田県横手市でミニコミ誌「たいまつ新聞」を発刊し、30年間、反戦記事を書き続けた。
と書かれています。
ちょっと話が戻りますが、今回どういう取り上げ方をされているかというと、もちろん100歳になったのがニュースなのですが、見出しにはベタ抜きで「今の日本は戦争のにおいがぷんぷんする」とあり、100歳になるまでずっと反戦の立場で取材執筆活動をしてきたジャーナリストの目から見て、そういう時代に映る、という警鐘なわけです。

で、記事中では先の衆院選の投票率の低さを挙げて「52%なんて国は主権在民とは言えない」「国民は自分たちの意見が反映された生きた政治にするために、考え、もだえるべき」といった意見を述べておられる。近衛文麿と東条英機にも取材した経験があるらしく、安倍晋三首相がそこに重なって映るようで、特定秘密保護法制定や集団的自衛権行使容認に、見出しの言葉が出た、ということのようなのですが。

私がこの件を残しておこうと思ったのはこの記事について直接、何か言いたいということではなく、記事中でおっしゃっていることが(もちろん上述の文脈で述べておられるのだけど、それに限らない汎用性のある考え方として)響いたからなのでした。それは次の一節。
「安倍さん個人の話ではない。彼を全面に押し出し、日本を変えようとする政治、経済界の勢力がある。誰が何を求め、何をしようとしているのか。それを明らかにするのが記者の務めだ」
 これです。

目に見える事象を通して、あれがどうだから結果こうなった、ということは誰でも言えるし書けるわけですが、ではその事象の裏では、何が(誰が)どんな思惑で動いて、どんな言葉で、どう働きかけて、メンタルの力が作用して、そういう事象が起きたのか。そこにこそ、目を配らなければいけない。

新たな年が始まったこの時期からこれから迎える新年度にかけて、企業では人事異動があったりしますね。で、当然、そこには何らかの思惑や意図がある。

私は企業の人事については取材しませんし記事も書きませんが、それに近い局面を目の当たりにしたり話を漏れ聞いたりすることが全くないわけではありません。つまり自分の仕事の周りにおいても、そうした「奥にあるものを見る」ことに務めなければ、表面的なことしか捉えることができない。

ということで、自分への戒めとしても非常に響く、大先輩の記事でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿